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2006年9月 7日 (木)

感染症シリ-ズ:おたふくかぜ

最近おたふくかぜが流行しているので、まとめてみました。 

【伝染】ウイルスによって起きる病気で冬,春に多いようですが年間を通じて発生します。患者さんの唾液などによってうつり、2~3週間で発病します。水ぼうそうやはしかに比べると伝染力は弱いようです。

【症状】耳の下部にある耳下腺がはれます。初期に発熱する事が多いですが熱が出ないこともあります。耳下腺のはれは片側からはじまり両側がはれることが多いのですが片側だけで終わることもあります。かたいものやすっぱいものを食べたときに痛みが強くなるのも特徴です。耳下腺以外にも顎の下の顎下腺もはれる事がよくあります。1週間位で耳下腺のはれは良くなります。3~5才でかかる方が最も多く、年齢の小さい方は感染しても症状が出ないで終わることがあります。大人がかかるとはれもひどく高熱が続き、かなりつらい思いをすることになります

【合併症】合併症としては髄膜炎,脳炎,難聴、膵炎,睾丸炎等があります.髄膜炎,脳炎は小児に多い合併症で,一度症状がよくなってから再び熱が出たり頭痛や吐き気を訴えたりします。ほとんどが自然に治りますが、まれにムンプス難聴と呼ばれる片側の難聴を残すことがあるので要注意です。思春期以降の年長児や大人がかかると男性の場合2~3割の方で睾丸炎がみられ、睾丸がはれて痛みが出ます。通常は片側だけですので,後遺症としての不妊症になる頻度は低いようですがこれも要注意です。

【診断】通常は症状から診断できますが、軽症の場合や初期の場合は診断が難しい場合もあります。リンパ節炎などいくつかまぎらわしい病気があり、耳の下がはれたから必ずしもおたふくかぜとは限りません。尿を調べて尿の中のアミラ-ゼという酵素が上昇していると診断の助けになります。但し耳下腺がはれた場合でも反復性耳下腺炎といって片側の耳下腺がはれてすぐにおさまるという事を繰り返す病気もあります。

本当におたふくかぜにかかると免疫ができ、2回かかることはまずありません。何回もおたふくかぜにかかったとおっしゃる方がいますが実際にはあり得ないと思われます。片側しかはれなかったから再びもう一方にかかるということもありません。どうしても診断がつかなかったときは後で血液を検査して抗体を調べるとはっきりします。

【治療と自宅での注意点】特別な治療法はなく、痛みや熱が強いときは鎮痛解熱薬を投与します。かたいものやすっぱいものなど唾液を出すものを食べると痛みが強くなるのでプリン、ゼリー、お粥、豆腐など口当たりの良いものを与えると良いでしょう。

 一度下がった熱がまた高くなったり頭を痛がったりする時には髄膜炎,脳炎を併発した可能性があるので早めに再診して下さい。また男の子の場合恥ずかしがって睾丸がはれても云わないことがあるので気をつけてあげて下さい。

 耳下腺のはれが消失するまでは伝染力があるので保育園・幼稚園・学校などは休ませてください。学校を休んでも後で証明書を出せば、欠席扱いにはなりません。

【予防】ワクチンの接種が最も有効です。現在のワクチンは副作用が非常に少ないものになっています。市川市では2才以上のお子さんに一部負担だけで接種ができます。ただし患者さんと接触してからワクチンを接種しても予防はできません。

また成人の方で小児期にかかっていない方は是非ワクチンを受けておいていただきたいと思います。かかったかどうかはっきりしない方は抗体検査をすればはっきりします。以前にかかっていてワクチンを受けたとしても免疫が強くなるだけで問題はありません。

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