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2010年8月 2日 (月)

感染症シリーズ 手足口病とヘルパンギーナ

 どちらも初夏から夏を中心に流行する夏風邪の一種で、腸の中で増えるエンテロウイルスという種類のウイルスによって起きる病気です。

 エンテロウイルスにはコクサッキ-ウイルスなどたくさんの種類がありますが、どちらの病気もそれぞれいくつかのウイルスが原因になって起きることがわかっています。

【伝染】患者さんの唾液や便を通してウイルスが感染し、感染して5日位で発病します。どちらも伝染力が強く、集団のなかでどんどん広がることがあります。但し、感染しても症状がでないで気づかないうちに治ってしまう場合も多いようです。

【症状】

◎手足口病:文字通り手の平や甲、足の裏や甲、舌や口の粘膜に水疱疹ができます。また膝、肘、お尻にも盛り上がったブツブツができることがあります。手足の発疹は痛みはほとんどありませんが、舌や口の水疱は破けてビランになり強い痛みを訴えることもあります。熱は病初期に微熱が出る事が多いのですがまれに高熱が出ることもあります。これらの症状は1週間程度で回復します。

◎ヘルパンギ-ナ:急に38℃~40℃の高い熱が出るのが特徴です。熱が高くなるため

ひきつけの体質のある方ではひきつけを起こすこともあります。のどの奥をよく見ると

口蓋垂(いわゆるノドチンコ)の両側に小さい水疱疹を認め、やはり強い痛みを訴えます。熱が高いわりには早ければ1~2日で解熱するのが特徴です。

【治療と自宅療法】どちらもウイルスによる病気で自然に治るので、抗生物質は無効であり、特別な薬はありません。お熱が高くてぐったりしたときには解熱剤を使用しても良いと思います。手足口病の場合は舌などのビランの痛みが強いときは外用薬を塗って少し痛みが軽くなる事もあります。 

 口の中が痛い時はからいもの、硬いもの、酸っぱいもの、熱いものは避けて口当たりが良くかまずに食べられるもの(ゼリ-など)を与えましょう。食事ができなくても水分が取れれば数日間は心配ありません。水分もジュ-ス等すっぱいものは避けましょう。

【合併症について】通常は合併症なくなおりますが、ごくまれに手足口病で髄膜炎や脳炎を合併するという報告があります。今年(平成22年)の手足口病はエンテロウイルス71型というタイプが多く髄膜炎や脳炎を起こしやすいといわれています。頻度からしてもあまり心配する必要はないと思いますが、嘔吐が続いたり意識がぼんやりしたり心配な症状があれば早めに再診して下さい。

【隔離について】具合の悪い間は保育園や幼稚園、学校はお休みしましょう。体調が回復するまではスイミングなどの運動も避けた方が良いと思います。

 症状がなくなった後も便の中にはかなり長期間ウイルスが排泄されるようです。従って症状があるときだけ隔離しても現実にはあまり意味がないという事になり、本人の体調が許せば保育園なども登園可能という所が多いようですが、それぞれの方針があると思いますのでお問い合わせ下さい。

 但し生まれたばかりの赤ちゃんにうつると心配ですので接触しないようにしましょう。

【免疫について】1つの型のウイルスについては一度感染すると免疫ができて二度かかることはありませんが、どちらの病気も原因のウイルスは数種類あるため2~3回かかることがあります。大人は免疫を持っている方が多いのでまれにしかかかりませんが、かかると症状が重くなることもあります。

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