B型肝炎ワクチンについて
最近B型肝炎ワクチンの接種が小児に勧められるようになりました。Q&A方式でまとめてみましたので参考にして下さい。
1)B型肝炎とはどんな病気ですか?
B型肝炎ウイルスによる感染症です。非常に感染力が強いウイルスで、B型肝炎を持った母親からお産の時に赤ちゃんに感染します(母子感染)。また父親や家族やお友達、ウイルスに汚染された血液の輸血や性行為などでの感染(水平感染)が知られています。しかし原因不明のこともよくあり、特に子どもの場合は原因不明のことが多いとされます。
肝炎になると疲れやすくなって黄疸(おうだん)が出ます。症状はごく軽い場合が多いのですがまれに急激に非常に重い症状になることがあります。劇症肝炎と呼ばれ、生命が危険になります。
3歳以下の子どもが感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になりやすく、キャリアになると慢性肝炎になることがあります。慢性肝炎になると長期にわたる治療を要し、最悪の場合、肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。
最近は、3歳以上で感染しても慢性化(キャリア化)しやすい遺伝子型AというタイプのB型肝炎が日本でも広がっています。知らない間にキャリアになった家族などから子どもへの感染もめずらしくありません。
2)予防法は?
B型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)で予防します。B型肝炎を予防するということは、肝臓がんを予防することにもなります。B型肝炎は世界で初めてのがん予防ワクチンです。
接種法は4週間隔で2回、さらに20~24週経ってから1回の合計3回接種です。 B型肝炎は母子感染や水平感染だけではなく、知らない間にかかることも多いので、 WHO(世界保健機関)では、世界中の子どもたちに対して生まれたらすぐに国の定期接種として接種するように指示しています。日本でも将来的には公費の定期接種になると思われますが、現在のところ自費接種で一回4000円程度です。
当院でも接種を行っていますのでお問い合わせ下さい。
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