2014年8月13日 (水)

水痘ワクチンの公費化について

2014.10月から全国的に水痘ワクチンの公費接種がはじまりました。2回接種です。

○従来水痘ワクチンは1回の接種でしたが、免疫の付き方が不充分なためか、軽くはあっても感染してしまう例も多くありました。アメリカ等では2回の接種で水痘の発症が激減しました。水痘にかかると水痘ウイルスが神経に潜んでいて将来帯状疱疹を発症することもあります。日本でも今後2回接種にして日本から水痘をなくしていこうという考え方です。

○対象は生後12月~36のお子さんで、標準的な接種期間は1回目は生後12月~15月、2回目は初回接種後612カ月(最低3カ月あけて)です。

○どの年齢でも既に水痘にかかった方は接種する意味がないので対象外です。

 

 

 

 

 

 

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2014年7月30日 (水)

B型肝炎ワクチンについて

最近B型肝炎ワクチンの接種が小児に勧められるようになりました。Q&A方式でまとめてみましたので参考にして下さい。

1B型肝炎とはどんな病気ですか

 B型肝炎ウイルスによる感染症です。非常に感染力が強いウイルスで、B型肝炎を持った母親からお産の時に赤ちゃんに感染します(母子感染)。また父親や家族やお友達、ウイルスに汚染された血液の輸血や性行為などでの感染(水平感染)が知られています。しかし原因不明のこともよくあり、特に子どもの場合は原因不明のことが多いとされます。 肝炎になると疲れやすくなって黄疸(おうだん)が出ます。症状はごく軽い場合が多いのですがまれに急激に非常に重い症状になることがあります。劇症肝炎と呼ばれ、生命が危険になります。
 3歳以下の子どもが感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になりやすく、キャリアになると慢性肝炎になることがあります。慢性肝炎になると長期にわたる治療を要し、最悪の場合、肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。

最近は、3歳以上で感染しても慢性化(キャリア化)しやすい遺伝子型AというタイプのB型肝炎が日本でも広がっています。知らない間にキャリアになった家族などから子どもへの感染もめずらしくありません。

 

2予防法は?

B型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)で予防します。B型肝炎を予防するということは、肝臓がんを予防することにもなります。B型肝炎は世界で初めてのがん予防ワクチンです。

接種法は4週間隔で2回、さらに2024週経ってから1回の合計3回接種です。    B型肝炎は母子感染や水平感染だけではなく、知らない間にかかることも多いので、  WHO(世界保健機関)では、世界中の子どもたちに対して生まれたらすぐに国の定期接種として接種するように指示しています。日本でも将来的には公費の定期接種になると思われますが、現在のところ自費接種で一回4000円程度です。

当院でも接種を行っていますのでお問い合わせ下さい。

 

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2013年6月18日 (火)

子宮頚癌ワクチンに関する緊急のお知らせ

子宮頚癌を起こすパピローマウイルスの予防ワクチンを接種した方の一部で、痛みが長く続くという副反応がありました。厚生労働省としては詳しい調査をして実態がはっきりするまで、接種を積極的に勧めることを差し控えるという方針を614日に発表しました。接種の主体である市町村もこの方針に従って対象者に周知することになります。但し接種を中止するものではなく希望者は従来通り接種を受けられます。心配な方は調査結果を待って接種しても良いかもしれません。今後の方針が詳しく発表されれば報告します。

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2012年9月14日 (金)

ワクチンのおすすめ(26年7月改訂)

ワクチンのおすすめを改訂しました。(26.7月)

最近多くの新しいワクチンが開発され接種可能になりました。お子さん達の病気の予防に大きな進歩ですが、ワクチンの種類も多く接種時期、間隔もまちまちですので親御さんも接種予定を考えるのが大変だと思います。様々なスケジュールが考えられますが絶対的なものはなく、接種可能な期間内に必要な接種を終えれば良いと考えて下さい。市川市の予防接種手帳(黄色い冊子)にも注意が書いてありますのでまずお読み下さい。ワクチンには公費で接種できるものと自費で接種するものがあります。最近は幸いほとんどのものが公費で接種可能になりました。但し公費のものは接種期間が法律で決まっているので時期を逃すと自費になってしまいますので注意が必要です。またワクチンには生ワクチン不活化ワクチンの2種類あり、生ワクチンの場合は4週間以上あけて、不活化ワクチンは1週間以上あけて他のワクチンができます。

以下接種時期に分けて簡単に説明します。は生ワクチン、は不活化ワクチンです。

1才まで》

2ヶ月から接種が可能

ヒブワクチン(インフルエンザ杆菌)プレベナー(小児用肺炎球菌ワクチン)

どちらも乳幼児で心配な細菌性髄膜炎の菌のワクチンで標準的には4週間隔で3回接種し、1才過ぎで1回追加接種します。早い時期の接種が望まれます。

ロタウイルスワクチン(自費)胃腸炎を起こすロタウイルスのワクチンで口から飲むワクチンです。23回服用します。生後15週未満に接種を開始する必要があります。

3ヶ月から接種が可能

4種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)1期 百日咳が流行している地域もあるので早めの接種が必要で、3(8)週間間隔に3回接種します。

BCG 5~8カ月がお勧めの時期です。1才になるまで可能です。            以上2ヶ月から6ヶ月頃の時期は接種するワクチンが10個以上になります。最近はワクチン2種類以上を同時に接種することも可能になりました。個別に接種すると来院回数が多く日程の調整が難しくなりますが、2つのワクチンを同時に接種することによって来院回数を減らすことが可能です。スケジュール表に計画の例を書いてお渡ししますので母子手帳と一緒に保管しワクチン接種時必ず持参してください。

《1才 から》  麻疹風疹混合ワクチン(1回目)麻疹(はしか)は実際にかかると大変なので1才3ヶ月までに受けましょう。2才すぎると自費になってしまいます。プレベナー、ヒブの追加接種と同時接種も可能です。

おたふくかぜ 市川市は少額の自己負担で可能です。1才過ぎに券を送ってきます。(期限:7才半まで)難聴などの合併症もある病気なので必ず接種しましょう。

水痘 26年10月から接種が公費化 されます。 2回接種です。

対象年齢は生後12月~36 月で標準的な接種期間は1回目は生後12月~15月、2回は初回接種後612カ月(最低3カ月)です。経過措置としてこれまで接種していない方生後36月~60月の方は1回のみ今年度限り接種できます。任意接種として一回接種した方も、3才以下ならもう一回できます。

 

《1才6ヶ月 から》   4種混合 1期追加(1期終了の1218ヶ月後)

3才から》 日本脳炎1期 14週間隔で2回接種し1年後に追加接種します。 

《小学校入学前の1年間》 麻疹風疹混合ワクチン2回目 期間限定のため期限を逃さないようにしましょう

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2010年9月 8日 (水)

ヒブワクチンについて

22年10月後半から多くの方がヒブワクチンを接種できるようになります。当院でも接種可能です。ヒブワクチンについて簡単にまとめてみました。

1)ヒブって何のことですか?

A)ヒブというのは乳幼児がかかる細菌性髄膜炎の原因菌であるインフルエンザ菌b型の略称です。細菌性髄膜炎は手遅れになると死亡したりさまざまな後遺症が残る可能性が高い病気です。日本では年間約1000人近くの子どもたちが細菌性髄膜炎にかかっていると推定されており、そのうち5%近くが死亡、約20%がさまざまな後遺症に苦しんでいます。この髄膜炎のかなりの部分がヒブによっておこっています。

またヒブは急速に呼吸困難を起こして危険な状態になる急性喉頭蓋炎や難治性の中耳炎の原因菌でもあります。最近では抗生物質に対する耐性化が進んでおり、これまで以上に治療が難しくなっています。

2)ヒブに対するワクチンがヒブワクチンなのですね。予防効果はあるのですか?

A)ヒブワクチンは海外で20年以上前より使われ始め、現在では100カ国以上の国で使われています。アメリカではヒブワクチンが導入された後は、ヒブ髄膜炎の頻度が導入前の1%まで減少しており高い有効性が実証されました。すでに全世界で1億5000万本以上の接種実績があり、日本でも昨年ようやく認可されて接種が可能になりました。

なお肺炎球菌も髄膜炎の原因になる菌で、最近予防のワクチン(プレベナー)が接種可能になりましたがヒブワクチンとは別のものです。

3)ワクチン接種の副作用はありますか?

A)接種部位が赤くなったり、腫れやしこりが見られる方あり、50人に1人程度熱が出る方がいるようですが、特に他のワクチンに比べて心配な副反応はないようです。

4)どういうスケジュールで接種を受ければいいですか?

A)乳児の細菌性髄膜炎の予防に有効なので、できれば乳児期早期にやる必要があります。

乳児期は他にも受けるワクチンが多くて大変ですが、三種混合や肺炎球菌ワクチンと同時に接種することも可能ですのでうまくまとめて接種すれば受診の回数は少なくすみます。

接種を始める時期によって以下のようにスケジュールが違います。

○2ヶ月から7ヶ月のお子さん  4()週から8週の間隔で3回接種  1年後に追加○7ヶ月以上のお子さん     4()週から8週の間隔で2回接種  1年後に追加

○1才以上     1回のみ

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2010年7月27日 (火)

小児用肺炎球菌ワクチンについて

:肺炎球菌とはどんな菌ですか?

:肺炎球菌は文字どおり、肺炎の原因になる細菌です。この菌は実はどこにでもいる菌で、子どもの多くが鼻の奥や気道に保菌しています。保菌しているだけでは問題ありませんが、小さな子どもは肺炎球菌に対する抵抗力をもっていませんので、比較的簡単に肺炎球菌に感染してしまいます。カゼをひくと中耳炎になるのはカゼによって粘膜の抵抗力が落ちると、耳で感染症をおこすためです。このように、肺炎球菌は、耳で感染症をおこすと「中耳炎」に、肺に入りこんで「肺炎」に、血の中に入りこんで「菌血症」に、脳や脊髄を覆っている髄膜の中に入りこんで「細菌性髄膜炎」を発症します。

:感染の予防はできますか?

:肺炎球菌による感染症にかかりやすいのは、小さな子どもやお年寄りです。高齢者に対する肺炎球菌ワクチンは従来から使用されていました。肺炎球菌にも多くの型がありますがこのうち小児で主に感染をおこす7つの型の菌に対する免疫を作るワクチンが開発されました。このワクチンを接種すると、一番この病気にかかりやすい年齢の間、肺炎球菌からお子さんを守ってあげることができます。子ども用の肺炎球菌ワクチンは2009年時点で100カ国近くで使われていて、定期接種をしている国では細菌性髄膜炎などの重い感染症の発症率が98%下がりました。平成22年から日本でもプレベナーという商品名でワクチンが認可され接種可能になりました。

:どういうスケジュールで接種するのですか?

:標準は 26カ月で開始し27日間以上の間隔で3回(初回免疫)、

1215カ月の間に1回(追加免疫)接種します。合計4回の接種です。

この時期に接種を開始できなかった方は開始する年令により通常以下のスケジュールで接種します。

開始時期

711ヶ月:初回免疫を2回、27日以上の間隔で接種したのち、60日間以上あけて追加接種を1才過ぎに1回接種します。

1才:60日間以上の間隔で2回接種

2才~9才:1回接種 

となっています。このように接種時期の設定が複雑ですのでかかりつけの先生とよく相談して接種してください。

:接種の副作用が心配ですが

:接種した後に熱が出たり接種した部分が腫れたりすることがありますが、頻度は他のワクチンと比べてそれ程高くないようです。2007年に、WHO(世界保健機関)は子ども用の肺炎球菌ワクチンを世界中で定期接種とするように推奨を出しました。

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